創造社会論2 2

16日(水)慶応SFC総合政策学部准教授の井庭崇さんの新カリキュラム「創造社会論」のゲストとして合計180分対談してきました。

創造社会は、消費社会→情報社会の次に来る社会という意味の井庭さん造語、
自分たちで自分たちのモノや仕組みを創造する、つくる側と使う側の距離を
近づける社会をテーマにしてます。

知識伝達から知識創造に転換、ワンウェイでの講義をなくし、すべて対談でワクワクする内容をつかみとってもらい、最後にパターンランゲージでナレッジを記述する形式です。

デザイン、空間、商い、地域、文化、教育、生き方のジャンルで創造的に生きてたり、創造を誘発する場・仕組みをつくっている人をゲストに招いてます。

この対談や井庭さんの目指すパターンランゲージの本質は創造のために
「WHYを問うこと」だと感じました。
これは日頃のUDSの仕事でも一、二を争うほど大事なことです。

パターンランゲージは、いきいきとした質を生み出す創造の言語。
過去の成功に潜む共通パターンを言語化して、問題発見・問題解決の知を記述。
「どのような状況のときに」
「どのような問題が生じやすく」
「その問題をどのように解決すればよいのか?」

現実に自分で実践するときは自分が共感する秘訣を見つけ、
「なんでそれが必要なのか」
「どんな問題が生じてそれが発生したのか」
「その問題はどんな状況のときに生じるのか」
とバックキャスティングで思考されていくため、
今回の対談でも、「そのまま鵜呑みにしない」「なるほど!のままで終わらせない」ことを強調されてました。

「何で重要なのか?」「自分が実践するためには何が必要か?」
を問いかけて下さいと。

講義は井庭さんが主旨説明と私がUDSの活動紹介を計40分ほどして、
井庭さんからUDS、私の活動に対するWHYを問われ対談、
第2部は約80名の学生からの質問に答えながら対談を重ねる方式で行いました。

びっくりしたのは学生の聴講姿勢。第2部の90分間、延べ15人ほど次々と質問が
出て、それだけで講義が完了したほどでした。

日常生活で、ここまで理由や動機を尋ねられる機会もなかったので、改めて
ビジョンヒアリングや聞き出す、聞き出されるの重要性を認識できました。

恐らく、聴講してた学生より私の方が収穫多かったのではないかと思います

学生たちは、添付のシートに基づき、今回の対談内容で自分が秘訣だと思った
ことをパターンランゲージに落とし込んで提出します。後日、その内容も拝見
できるとのことでとても楽しみです。

今後、UDSでも今回のような対談形式で皆で考える習慣つけたいなと思いました。
事業の未来像を考えるうえでその時々で最適な組み合わせの2人で対談して、
皆でその対談から感じ取ったことを共有しながら対話をすすめるイメージ。

今回、井庭さんと私が一番共感した言語は「重ね合わせ」。

新しい空間を創造するために、用途や機能、人など意識的に境界をつぶして、
重ね合わせて行くのがUDSのナレッジ。

多様化されたメンバーが1つのテーマを話すことが一番、創造につながる!
という結論で対談を終えました。

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第1部(90分)


(井庭さんから問われた主なWHY)

・シェアや交流、今の時代になぜ必要?
・なんで運営までやるのか?
・運営はなぜできるのか?
・LEAGUEでなんでイベントやるのか?
・コワーキングスペースの運営とイベントは不可分なのか?
・普通でないものを「変」で片付けられないために何が必要か?
・新しいものと普通のもの、境界線はどうやって考える?
・面白いものをつくる方向を保って行く秘訣は?
・自分の判断基準に自信をもつために何をする?
・UDSらしさの共有を高めるためにはどうしてる?
・色んな人を紹介してくれる理由は?
・一緒につなげようとする人を選ぶ基準は?
・紺野先生にフライング気質って言われてたけどなんで?
・創ったり、生み出すときにもスピードを意識するか?


(学生から問われた主なWHY)

・内装やインテリアをどういうプロセスと基準で決めるのか?
・面白いものを追求するために工夫することは?
・自分が行きたい場所、その基準は?
・長岡市のコミュニティ、どうすればよくなるか?
・地域を横につないでいくと何がいいのか?
血縁にこだわらないゆるやかな家族を形成していくためのアイデアは?
・空間・場づくりにおける日本人の特徴は何か?
・人と場に論点を組み込んだ理由と、何がよくなるのか?
・なぜ高校生と一緒に活動してるのか、何を目的にしてるのか?
・就職活動ではない創職ってどう思うか?
・歯をくいしばることと楽しむことのバランスは?
・仕事の楽しみ方は?
・エンドユーザーが不特定になっていくとき、どのような視点をもつか?
運営をやっていくと規模拡大になりフェードアウトにならないためには?
・こんな社会だったらいいなと思える未来像は?