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イノベーションやイノベーターの定義はやまほどありますが、グーグルの人材開発部長による
採用基準を踏まえたイノベーターの資質は

好奇心(いい質問をする癖と、もっと深く理解したいという欲求)
コラボレーション(自分と異なる見解や専門知識をもつ人の話しに耳を傾ける)
関連付け・統合的志向
行動志向と実験志向

正しい環境とチャンスを与えられれば、もっとクリエイティブで独創的になれる。
つまり、イノベーターは先天的なものだけではなく、家庭・学校・企業で育てられる。

一方で「好奇心と創造性は教育によって閉め出される」(ケン・ロビンソン)
「創造は癖だ。問題は、学校がこれを悪い癖として扱う」(ロバート・スターンバーグ) 

イノベーション(創造性)に不可欠な要素 

専門性(ひと言でいうと知識)
クリエイティブな思考力(疑問、結びつき、観察、共感、コラボ、 実験)
モチベーション(情熱や興味など、内的モチベーション)

内的モチベーションの3つの要素

遊び→②情熱→③目的意識 の3つを子どもの頃からどう進化させていくか、
教師・メンター・経営者がどのように奨励するかによって、若いイノベーターの人生には
大きな変化が表れる。

子どもが何に興味があるかはあまり重要ではなく、本当に興味のあることを見つける
プロセスが重要。

子どもが思春期に自分の学校について重大な決断を下すのを許す=子どもの判断を信頼する
子どもが「(社会に)恩返しする」方法を考えるよう促した。

学校の教育に求められることは、自分が何を知っているか(知識伝達)よりも、
自分が知っていることで何をやれるか(知識を新しい方法に応用する能力)。
新しい問題を解決するために、新しい知識に関心を持ち、新しい知識を作り出す能力。 

「カーン・アカデミー」を創設したサルマン・カーンが唱えた指導法
「インバーテッド・ティーチング」(知識を得る作業は宿題にし、教室では実践的な指導)も有効

一方でオバマ政権の教育政策「レース・トゥー・ザ・トップ(トップへの競争)」では
生徒達が身につけた知識で何をできるかはまったくわからない。平凡な人間になるための競争。

今、理想とされる大学のひとつがマサチューセッツのオーリン工科大学。
起業家的志向ができるエンジニア育成を目標。
全員がデザイン思考の実習とチームでビジネスを立ち上げて運営しなくてはならない。
知識を教えるのではなく、物事に対する姿勢やモチベーションや態度を教える

通常の高校や大学と大きく異なる基本的な部分

①個人の習熟度<コラボレーション
②専門知識<分野横断的な学習
③リスク回避<試行錯誤
④消費<創造
⑤外的インセンティブ<内的モチベーション
⑥STEM<リベラル・アーツ 

アップルの人事担当副社長によれば、ビジネススクールで教えていることは
「オレンジからもっとジュースを搾り取ることで、素晴らしいオレンジを育てることではない」
つまり偉大で独創的なプロダクトを作る方法より、もっとカネを儲ける方法が中心になっている。

IDEOのトム・ケリーが指摘するポイント

・価値あるアイデアは組織のトップで生み出され、それ以外の全員は単なる実行者に過ぎない
という考えが染み付いている。
・CEOは自分はすべてにおいて誰よりも優れていると考えていて、自分にもっと手足があれば
すべてはもっとうまくいくのにと思っている。
・組織内で情報の自由な流れを確保することはイノベーションを促す上で決定的に重要。
・トップダウン式の経営は新しいアイデアが生まれ会社に「集合知」が生まれるのを阻害する。 

著書中でも複数箇所指摘されているが、イノベーションに不可避なのが失敗(試行錯誤)
IDEOのモットー「早い段階でしょっちゅう失敗しろ」
失敗から学ぶ方法のひとつとして「ラピッド・プロトタイピング(すぐ試作する)を奨励

オーリン工科大学では、失敗という考え方はせず、イテレーション(繰り返し)という
言葉が使われている。

このあたり、組織経営においてもとても参考になる。

経営として失敗は避けたいけれど、それ以上のリスクは没個性・無難化であり、
ラピッド・プロトタイピングやイテレーションに共通するスピード・短期回復の
思想と仕組みをつくることが重要だと考える。
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