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アベノミクスが日本で有効に機能しない理由のひとつが「欲望」。
マネーサプライや金利というものが機能するのは「欲望過剰社会」、
一方で現状の日本は「同質的・内向き・少子化」により「低欲望社会」。
経済を活性化させるには、心理を和ませる心理経済学の視点が必要という論説。

少子化対策はフランス、移民政策はシンガポール、農業政策はオランダ、
教育や地方分権はドイツを模範例としてあげていたが、
本書で個人的に一番、衝撃を受けたのはエストニアでした。

エストニアの国土面積は45,000平方kmで日本の約9分の1。
人口は約131万人で岩手県と同じぐらい。

1991年に旧ソ連から独立し2004年にEUとNATOに加盟。
厳しい基準をクリアしているのもすごいが、エストニアの特筆すべきは
「eガバメント(電子政府)」の徹底。

世界で最も進んだ国民データベース(DB)を確立、90%の国民が
ICチップ入りのIDカードを所持、すべての行政サービスを受けれるそうです。

最近では国民IDチップ格納のSIMカード入りのスマホですべて事足りるとか。。

スゴイのはさらに続いて銀行や医療など民間機関とも接続しているので、
税金も自動計算、企業も個人も納税申告不要とのこと。最低5回のクリックで終わり!

これにより、税理士や会計士が不要!
これってすごいことですね。
政府担当者曰く「人口130万人の小国では、不要な職業を削っていかないと国家の
発展ができない」とか。

他にも、電子内閣で、閣議もネット上、閣僚や各省庁の仕事ぶりは100%国民監視下。
電子投票で、2007年の国会議員選挙にも導入、票の24%が電子投票、世界105カ国から
期日前・不在者投票があったそうです。

電子警察から電子健康管理、電子教育、電子会社登記、電子駐車場管理、、、、
まだまだ発展は続きそうです。

これだけ徹底する背景には、ロシアの再征服に備える意味もあるようです。
仮に制服されても国土を回復する日までサイバーで国家運営を続けることが
できるので永久に不滅、このような発想は日本にいるとなかなか実感がわきにくいです。

旧ソ連時代からソフトウェア開発拠点として、現在も高等教育進学者の大半は理科系、
ハイレベルのIT技術者が多く、スカイプの開発拠点としても知られてます。

同じスマホでも、主な用途がゲームやSNSだけ、という日本とはかなり知識・知恵・技術
危機感において、差があると痛切に感じ入りました。

【エストニア情報】
http://matome.naver.jp/odai/2134906797864391301