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ライフスタイル自体を観光資源として商品化、住民
自治、熱いガイドの存在に特に共感しました。

自分の体験を振り返っても、印象に残る旅先には
必ず、地元の人たちの存在がありました。

01 日本の観光の問題

①マーケティング発想「マーケット・イン」
※PRはやり方を変えずにどれだけ多く自分たちを
 知ってもらうかの活動にすぎない
② 観光は地域を豊かにするための手段

02 スイスに学ぶ観光マーケティング

・13世紀末に原型
・オーストリア・ハプスブルク家の圧政をうける
・面積は41,000㎢(ほぼ九州)人口は824万人
・ドイツ・オーストリア・フランス・イタリアに
 四方を囲まれ平野少なく農業・工業に向かない
・公用語は4カ国語
・飢えずに食べていくためにどうするか?危機感
・観光は雇用を作り出し、外部からお金を稼ぐ 
 地域経済の柱

・19世紀半ば、イギリスの貴族で登山が流行
・アルプス登頂が競われ、きれいな水・空気・陽光
 とミルク・チーズ・生ハムの魅力で公害と 
 スモッグに悩むイギリス人に人気の観光地に

・都会では決して得られないゆったりした時間、
 自然と調和した素朴なライフスタイル

「ライフスタイル自体を観光資源として商品化」 

・富裕層・リピーターを最重要視、規模より利益率
・1,000円の時計1,000個より100万円の時計1個

・「スイス・クオリティラベル」の品質保証制度
 →高品質・高付加価値体質に
・国旗そのものがブランドアイコンに

・どんな小さな村・町もブランディングと
 マーケティングが地域経営の柱

03 ツェルマット(人口5,700人、120軒のホテル)

年間で200万泊(ほぼ毎日人口と同じ規模の宿泊)

04 ブルガーゲマインデ(住民自治組織)

ツェルマットで400年以上の歴史
村役場と両輪で経営
100%出資で地元のホテルも経営

05 時間消費を促すソフトの開発

山岳ガイド協会とスキー・スノボスクールと
ホテルのパッケージ
スキー教師とテニス教師の連携
カルチャースクールとビューティープログラム連携

06 ガイドが子どもの憧れの職業に

歴史・伝統・自然・科学など幅広い知識と情報
最先端の情報サービス業として、
今後、子どもたちの憧れの職業に!

07  観光は世界のGDPの10%、日本は5%以下

08 弟子屈(てしかが)町

・住民主体の地域経営のしくみと組織を実現
・「てしかがえこまち推進協議会」(2008年)

09 株式会社ツーリズムてしかが


・補助金なし、地元100%出資
・着地型旅行会社として初年度から黒字化
・「百聞は一見にしかず、百見は一行にしかず」
・自分たちのアイデアで企画した旅行商品をすぐに
 販売に移せる

10 とやま観光未来創造塾

・北陸新幹線開業効果の持続・発展を見据え、石井
 隆一知事が、一時的な広告・プロモーションでは
 なく、観光ビジネス人材育成に投資を決断
・5年間で370名を輩出

・参加者レベルにあわせて
「観光おもてなし入門コース」
「観光ガイドコース(中級専攻と上級専攻)」
「観光魅力アップコース(食と地域リーダー)」
「 グローバルコース(インバウンド対応)」

・ 富山県の伸び率(平成27年8月)
 128%で全国一位(石川県を抜く)
・「休んでかれ。」宣言

11 年次有給休暇(国際労働機関の国際条約)

・ヨーロッパでは条約に基づき長期休暇を保証
 →バカンス文化や権利意識だけではない制度

・先進国で批准していないのはアメリカと日本だけ
 →就業者の経済格差拡大をアメリカ雇用側が懸念 

12 定住人口1人分の年間消費約124万円

年100〜1,000人単位での人口減少
→年間1.24〜10.24億円の消費損失
→地域外からの外貨獲得手段として観光振興

13 旅行会社利用者は約30%

これからの観光で必要なのはマーケティング
顧客データベース構築、顧客フィードバック反映 

観光立国の正体 (新潮新書)
藻谷 浩介 / 山田 桂一郎
新潮社
2016-11-16