今週、UDSで廃校校舎のリノベーションと
給食運営を手がける長野県佐久穂町の大日向
小学校(しなのイエナプランスクール)が
開校し、給食提供を開始しました。

詳細は5月7日の経営会議でご案内頂きます
が、給食担当は、リラックス食堂広島に勤務
していた佐藤弘美さんです。

佐藤さんは管理栄養士として、広島で1社
勤務後、UDSに入社。

私が大日向小学校で給食を運営する提案をし
た段階で、自らイエナプラン教育の本を読み
共感、20代半ばで栄養教諭の仕事ができるの
はこれからのキャリアにとってチャンスと
考え、立候補頂きました。

栄養士、調理師としての仕事はしていますが
小学校での栄養教諭の仕事は未知の分野、
かつ社員は1人、何より人口1万人のまちへの
移住。

入学式の登校では、まさかの大雪で立ち往生
地元の方に助けられ車に乗せて頂いたりと、
早速、地方の町ならではの生活がスタートし
ています。

そして、来週から、ローカル事業開発室の
新卒3年目、原島裕志さんが宮崎県都農町に
移住します。

4月1日に設立された一般財団法人つの未来
まちづくり推進機構に常駐し、UDSで企画
を受注している総合保健福祉センターをはじ
め、都農町全体のグランドデザインづくりに
携わります。

2人とも、偶然ながら人口1万人、まさに人口
減少、少子高齢化の最前線。

今週の日本経済新聞でも、人口減少が大々的
に報じられ、昨年一年間でも出生数が死亡数
を下回る「自然減」過去最多の44万8千人。

佐久穂町は教育、都農町は地域医療でそれぞ
れ新たな活路を見出そうと踏み出している町
です。

そんな環境で、20代半ばの2人が常駐して肌
で感じながら、地域活性の一助を担おうとす
るのはUDSとして意義のあることだと思い
ます。

プロジェクト・デザイン・パターンに、
「買ってみる」というパターンがあります。

梶原さんが、コーポラティブハウス事業を立
ち上げるきっかけとなったのが、マンション
デベロッパー時代、新卒で強みがない中、自
らマンションを買ってみて感じたニーズでし
た。

事業や商品、仕組みをつくるのと同様に、
まちづくりであれば、そのまちに住んでみる
というのが一番「買ってみる」に近く、住ん
でいるからこそ見えてくることが必ずありま
す。

私自身も25歳の時に新潟県上越市に大規模
ショッピングセンターの企画開発業務のため
常駐、地元の会社に転籍しました。

以降、6年間、妻を連れて移住し子どもも上
越生まれ、住まいは自分の仕事に対する反対
運動の中心地、商店街のど真ん中でした。

そんな超アウェイの環境ながら、毎日子ども
と買物したり町を歩けば知り合いばかりで、
仕事は抜きに、雪国に不慣れな私たちにとて
も親切にしてもらったいい記憶しかありませ
ん。

仕事では利害が対立しながらも、何より東京
から退路を絶って移住した想いや覚悟に対し
てはとてもご理解頂き、結果、良い形で開業
することもできました。

また住んでみると、東京生まれの私にとって
さほど意識になかった祭りや花見、花火の
重要性が実感できました。

町内会の運動会は1ヶ月ほどトレーニングせざ
るを得ないほど、本気のぶつかり合いでした。

UDSが民事再生後、中国事業を推進していく
中、藍天城プロジェクトでは北京に約一年間
常駐しました。

これもやはり、中国のクライアントからは、
ご評価頂き、UDSとして中国の優先順位が
高いこと、中国の子どもたちのニーズがどう
なのか、日々のコミュニケーションで肌身で
わかることができました。

そして、何よりもその後、梶原さんが家族で
移住され北京、上海と7年もの期間常駐した
ことで、中国のクライアントや誉都思メンバ
ーからすれば、信頼感、安心感とUDSとして
誉都思を立ち上げなければいけない覚悟や
使命感が伝わったのだと思います。

最近、少し流行りの地方移住促進とは意図が
少し違うものと思います。

あくまでも、クライアントや地域からのニー
ズを満たし、称賛を得るための手段として、
その地域に住むことで得れることがある、と
う文脈で理解頂きたいと思います。

UDSで掲げているミッション

「新しい価値を生み出す選択肢を提案し、
 その未来まで責任をもつ」

は2016年の役員合宿で議論して言語化した
ものです。

その未来まで責任をもつ、という部分に
UDSとして、企画で言いっ放し、設計で
つくりっ放しにしないようにしようという
こだわりと他者との差別化の意味を込めて
います。

そもそもUDSが運営までやる意味でもある
と思います。

UDSとして新くて、センスのある企画や
デザインを提案しつつ、地域常駐するメン
バーがその地域言語に翻訳し、地域で受け容
れられる提案にしていくことで、UDSらしい
アクションを起こしていけるのだと思います。

佐久穂町、都農町ともに、町としての未来は
大変厳しいものです。

ただし、両町ともUDSに対しては明確にニー
ズがあり、UDSの強みを活かせる環境だとは
思います。

とは言え、1人常駐したから何かが変えられる
ほど甘くはありませんので、是非とも関心を
持って、ニーズに応じて企画・設計・運営の
ナレッジを活かしALL UDSでサポートして
いきましょう!

(2019/04/14_マネジメントだより_454)