先週は、有償職業紹介付き認知症デイサービ
スBLG!(町田市)を、都農町の方々と一緒
に訪問してきました。

BLG!を経営する前田さんは、
『認知症フレンドリー社会』の刊行イベント
を神保町ブックセンターで主催した際、著者
徳田さんから紹介されたのがきっかけで、
ここのところ、頻繁に連絡とりあってます。

BLG!は全国でいま大変な注目を受け、
来週には小泉進次郎さんが視察に来るなど
毎週のように国会議員をはじめ全国からの
視察が絶えないようです。

こどもの国駅から少し歩いた町田市郊外の戸
建。どこにでもある普通の民家に10人近い
メンバーさん(BLG!での呼称)が通います。

ほとんどが認知症の方々で要介護2〜3が多い
です。

何で話題になっているかというと「働ける」
ことなのです。

私たちが訪問した時には、ちょうど仕事を
割り振りする時間。

スタッフが、今日お願いしたい仕事は、
「ホンダのディーラーで新車の洗車」
「前田さんの伝票整理」
「おやつづくり」
「買い出し」
の4つをあげ、一人ずつ希望を聞いて調整。

メンバーの皆さんは、仕事の種類は認識でき
希望もはっきりされているので、役割分担に
それほど時間はかかりませんでした。

私たちは洗車チームに同行、というより一緒
に洗ってきました。

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赤いHONDAのジャンパーがメンバーさん。
手前右:都農町の甲斐さん、左:原島くん

メンバーさん5人は1BOXカーで移動して
毎日やってるから手馴れたもので洗車作業。

中には東大法学部を出て商社勤務だった人も
いて、お互いにさりげなく過去のことも共有
しつつ、ここではホイールまで洗う几帳面な
人から、進んで屋根部分を拭く人、みんなに
声がけするムードメーカー的な人など、仕事
の癖、習性が出て面白かったです。

おそらく、みなさん、現役時代は仕事を一生
懸命やられて良い思い出があるんだろうな、
と感じました。

とにかく、みなさん楽しそうでした。

認知症になっても、仕事があること、かつ
洗車であればチームに対して月2万円、
ホンダから支払われます。

「稼ぐ」ことで自尊心が満たされ、目標に
向かって努力、集中もするため、認知症の
進行が緩やかになったり止まったりすること
もあるらしいです。

一緒に働いて、話してみて、共通していい顔
してるな、と思いました。
とにかくよく動くしよくしゃべるし 笑。

仕事が終わって帰ると、毎日部屋の中で開催
している駄菓子屋さんめがけて、学校が終わ
った小学生たちが次から次へ入ってきます。

対応していたのは元保健教諭だった88歳の
メンバーさん。イキイキされてました。

私が見たのは、たまたまメンバーさんの
コンディションが良かっただけかもしれま
せんし、毎日、もっと現実的でディープな
ことも起きているのだと思います。

とは言え前田さんは以前からこのBLG!が
果たせる役割を確信。

介護保険適用施設で有償の職業を紹介する
ことは原則禁止されているため、厚生労働
省に通いつめ特例OKを得るのに交渉5年!

ホンダに洗車作業を発注頂けるよう、これ
も通いつめ2万円で受託できるまで2年。

前田さんはこのような有償職業紹介付きデ
イサービスを全国で100箇所つくることを
決意。

明確にビジョンとして掲げて、すでに
100BLG!という株式会社を設立しました。

私のお仲間も参画しておりますが、まだまだ
ビジネスモデルもなく手探りですが、早速、
都農町で地方モデルを作ろうと紹介した次第
です。覚悟ある決断は人を動かすものです。

もう1人、最近、仲良くしている福祉系の方
でNPO法人Ubdobeの岡代表と打合せで
今週お会いしました。

岡さんは、東京の介護福祉士を島根県海士町
や徳島県三好市など、地方へ移住紹介をして
おり、受け皿となる地方に住む家や泊まる場
がないので、UDSと一緒につくろうと話を
しています。

もう一つが、同じ地方の福祉作業所で働く
障害者の方々と一緒に地域の特産物を東京の
クリエイターやデザイナーと一緒に開発して
東京で販売しようという相談をされました。

岡さんによると、全国の福祉作業所で働く
障害者が得れる月収は平均で2万円足らず!

かつ、ご両親が亡くなると住む家や生活が
できなくなり施設に入り、仕事をしても、
報酬は管理という名の没収をされてしまう
とのこと。

なので、1人でも多く、1円でも多く稼いで
自立する助けにするというのが支援の趣旨と
なります。

UDS有志のPSRとして、あるいはここ滋賀や
su+、新しくできるライフスタイルショップ
などでも可能な範囲で協力できるといいな、
と思います。

私を含めた50代以降は今後、人生100年時代
で70歳、80歳まで働く必要が出てきます。

認知症や障害者の方々も自立のために働く
のは大切なこと。

これだけ長い時間、働くことを「労働」と
捉え、家計のため、やむを得ないこととして
働いていては人生豊かになりません。

目の前の仕事をどう楽しむか、より仕事を
楽しむためにどんな努力をするか?

このような習慣をつけていくことが自分の
老後を豊かにすることにも繋がりますし
認知症になっても楽しく暮らすことができ
るかもしれません。

PSRとして、障害者の就労支援ができるかも
しれません。

働き方改革で、とかく仕事の「量」的な側面
が言われますが私たちは「質」「楽しみ方」
の改革をしていきたいものです。

(2019/06/16_マネジメントだより_463)