土曜日に、グッドデザイン賞受賞展の講演
「本のある場をデザインする」に登壇してき
ました。

今年のグッドデザイン賞では本に関係する受
賞が神保町ブックセンターと文喫、たこ文庫
(あかし市民図書館)の3件あったため3者
それぞれ違う立場で本に関わった話をさせて
頂きました。

地方の案件で、最近必ず出てくる地元の人た
ちのニーズが「本屋がない」「本がない」
ことです。

もちろん、自分が必要としたり好きな本は
全国津々浦々アマゾンで購入できますが、
自分が思いもつかなかった本との出会いや、
並んでいる本をみて興味をもったり、書店
や図書館が果たす役割は変わらずに根強く
あると思っています。

私が担当している米原や都農町のまちづく
りでもテーマになってくるのが「民度が低
い」「教養の刺激がない」ことであり、
解決策の一つとして、書店へのニーズがあ
がってきます。

一方で、これまで地方・郊外で多く店舗の
あった文教堂書店が今年に入り経営破綻に
なったことに代表される通り、書店や出版
を取り巻く経営環境は厳しさを増していま
す。

神保町ブックセンターは、旧岩波ブックセ
ターの経営破綻による閉店からお声がけがあ
りました。

文喫も、青山ブックセンターの破綻がきっ
けとなっています。

教養や民度向上を求める地方市町村のニー
が増す一方で、出店できる書店はどんど
っていく状況にあります。

そのような背景で、神保町ブックセンターは
書店に喫茶、イベント、コワーキングスペー
スを複合させて収益モデルをつくり、文喫は
入館料モデルにチャレンジをしています。

両者とも、ま試行錯誤は続くと思いま
すが、本のある場をどう収益化していけるか
地方のまちにとっても重要な課題と考えて
いますので引き続き新しい複合や組み合わせ
は考えていきます。

地方においては図書館が果たす役割もとても
重要になってきます。
先日、宮崎県の都城にある市立図書館の
MallMall(マルマル)に行ってきました。

都城市で閉店した百貨店をリノベーションし
た図書館で、年間で100万人を超す集客を
して昨年のグッドデザイン賞も受賞してます。

他にも、地方の駅前開発の成功事例と言われ
るオガール紫波でも、図書館が市民に根づき
コミュニティスペースとして機能してます。

このように、地域によっては民間企業でも、
公共図書館でも、あるいは公設民営など公民
連携によって、新しい本のある場が増えてい
くのが理想と思います。

書店と同様に厳しい環境にあるのが出版会社
です。

先週、講演させて頂いたのは「出版梓会」
という専門書出版社の同業種交流会でした。

児童書で有名な偕成社や、法律の有斐閣、
筑摩書房をはじめ、一度は聞いたことのあ
る出版社の社長さんたちと講演後の懇親会
でもこれからの出版、書店について込み入
った話をさせて頂きました。

本の紹介をする場のあり方や、売り場の編
集次第では、まポテンシャルはある
んじゃないかなと思っています。

いずれにしても、本のある場、本のある暮
らしは一生活者としても、もっと充実した
ものにしたい願望もあり、これからも書店
図書館、出版社、そして私たちのような場
をつくる会社が一体になって新しいあり方
を考えていきたいものです。

大日向小学校に続くイエナプランスクール
となる常石小学校のリノベーションでは、
1Fの職員室をなくして地域の人たちも入れる
ライブラリーカフェにしようと企画中です。

マルチな用途の建物を手がけるのがUDSの
強みの一つですが、共通するコンテンツとして
本のある場をどうデザインしていくのか、
一緒に考えていきましょう。

(2019/11/03_マネジメントだより_483)